切削加工における主役は、あくまで「工作機械」と「被削材」です。しかしながら、その両方を良好な状態に保ってくれる「切削油」も、同じくらい重要で欠かすことの出来ない存在と言えます。つまり、どんなに最新鋭の工作機械を用いても、不適格な「切削油」を選んでしまうと、きれいな仕上面や精密な寸法を得ることができなかったり、工具の寿命を縮めてしまったりするからです。
そこで、まず一般的な「水溶性切削油」の種類と特長を、簡単にまとめてみました。
エマルジョン型 |
鉱油及び界面活性剤を主成分とし、希釈すると乳白色の水溶液となります。 |
ソリュブル型 |
エマルジョン型に比べ界面活性剤の割合が多く、希釈すると半透明の水溶液となります。 |
ソリューション型 |
有機塩酸あるいは無機塩類を主成分とし、希釈すると透明の水溶液となります。 |
エマルジョン型 | ソリュブル型 | ソリューション型 | |
潤滑性 | ◎ | ○ | △ |
冷却性 | ◎ | ◎ | ◎ |
浸透性 | ○ | ◎ | △ |
防錆性 | △ | △ | ○ |
発煙・ 引火性 | ◎ | ◎ | ◎ |
メリット & デメリット |
水溶性切削油は、比熱が不水溶性切削油の2倍以上あるため、冷却効果に優れているので「発煙や火災の心配がない」という大きな利点がある反面、錆や腐食への配慮が必要であることに注意しなければなりません。 |
※上記は、あくまで一般的な切削油の特長を示したものです。